今回は少し足をのばし、朝8時のバスで軽井沢へ行くことにしました。目的地はムーゼの森の「エルツおもちゃ博物館」と「絵本の森美術館」です。
「エルツおもちゃ博物館」では、ぬくもりのあるドイツのおもちゃを見学し、「絵本の森美術館」では、学芸員の方から、グリムの一枚絵などの貴重な資料や、美術品の展示についてお話を伺う予定です。そして、その近くにある「軽井沢タリアセン」へも行こうという計画です。



軽井沢に到着し、穏やかな山並みの眺めや高原の空気に触れながら昼食をとりました。
そして、最初の目的地「エルツおもちゃ博物館」へ向かいます。
「エルツおもちゃ博物館」は、ドイツのエルツ地方で300年以上作られている木製のおもちゃが展示されています。雪に閉じ込められる冬の間、職人たちがろくろの技術を精練させ、見た人誰もが優しい気持ちになるような、美しいぬくもりあるおもちゃに仕上げています。
ドイツの冬の厳しさはかえって、人間の心の暖かさを際立たせるのでしょうか。展示を見ながら、グリム童話を育んだ森や人々へ思いを馳せました。
次に行った「絵本の森美術館」は、「エルツおもちゃ博物館」の向かいにあります。
庭園の中に美術館や文庫、図書館などの建物がいくつか建っていて、周遊するように各展示を見て回れます。
最初に、学芸員の方にグリム童話などについてのレクチャーをしていただきました。丸天井を放射状の梁で支えた、古城のような建物の中の「絵本図書館」は、蔵書も素晴らしい。

レクチャーの後、事前にリクエストしてあった、グリム童話を題材にしたミュンヘン一枚絵の復刻版や200年前に出版されたアーサー=ラッカムの挿絵入りの古書など貴重な資料を出していただき、目の前で見せていただきました。

色鮮やかな美しい絵に、みな息を詰めて見入っていました。

その後、学芸員の案内で「第一展示室」と「第二展示室」を見て回り、展示企画や作品展示についての配慮なども伺いました。

展示室に関しては、湿度や温度に気をつけていること、展示する作品の高さは来場の多い子どもに合わせているなど、実際の展示を見ながらの話しは興味深いことばかり。
秋冬の企画展として「女性イラストレーター展 優美な絵本世界への誘い」を展示していたので観覧しました。さまざまな時代や国の女性作家たちの作品を揃えた深みのある展示でした。


別館の「絵本のお店」では、その企画展示に合わせた作家の絵本をたくさん揃えてあり、展示の後に絵本を手に取ると、より絵本の世界へ入ることができした。
美しい庭園の趣のある建物の中で、絵本に囲まれて過ごしているとつい時間を忘れてしまいます。いつまでもいつまでもそこで絵本を読んでいたい気分でした。
でもおとなしくしていただけではありません。「絵本の森美術館」で衣装を貸し出していたので、学生が着て撮影会をして盛り上りました。
一枚後紹介します。タイトルは、「赤ずきんに迫る魔女」です。

次の目的地は、塩沢湖の周囲に洋館を移築した庭園「軽井沢タリアセン」です。
昔は冬になり湖が凍ると地元の人たちがスケートを楽しんだ塩沢湖は、静かな湖面に紅葉した木立が映り込み、とても美しい湖でした。

湖に近寄ると、人に慣れたカモやコイが餌をもらえると思ってわらわらと集まってきて取り囲まれました。なんだか楽しくなって、みんなでカモやコイをたくさん撮影しました。

ここではバスの時間が迫っていたので、ペイネ美術館だけ見学しました。充実した展示にみんな満足です。美術館特製の顔ハメパネルはもちろんみんな交代で撮影しました。

日が暮れると気温が下がり始めました。タクシーで軽井沢の駅まで戻ると、美しい夕焼けが見えました。
東京の忙しない時間の中では感じる事のできないゆったりとした時間の中で、絵本の世界に触れることで、絵本から感じ受ける内容や心に染みる深さが変わる気がしました。
丁寧な企画展示や建物のたたずまい、学芸員の方々やそこにたずさわる人たちのやさしい思いが伝わり、実際に行って感じるのは大切だと改めて思った校外授業でした。
s.motouchi
▽ホームページのアドレス
軽井沢絵本の森美術館 http://ehon-museum.org/
エルツおもちゃ博物館 http://erz-museum.org/
軽井沢タリアセン http://www.karuizawataliesin.com/