ストップモーション(コマ撮り)とは、モチーフを少しずつ動かしながら一枚ずつ写真を撮り、編集ソフトでつなげて動画にする手法です。
絵本学科では授業の課題として、2年生と3年生が取り組みました。
2年生はクレイ(粘土)を使って、「球から始まり球で終わる」という規定で制作しました。
3年生は間接を動かせるペーパーパペット(紙人形)をつくり、「幕が開き幕が下りる」という規定で制作しました。共通テーマはみんなで話し合った結果「おもちゃ」に決まりました。
それでは、ストップモーションアニメの制作の様子です。
まず材料を揃えていきます。

使うパーツを全て事前に揃えておくと、撮影をスムーズに行えます。


必死で作業しています。教室中が無言でした。

間接が動くと、命が吹き込まれたみたいで、うれしくなります。

材料が揃ったら、撮影に入ります。

撮影は二人で行います。
動かす人(作者)と撮る人(友達)

照明を2方向から当てて、なるべく影を無くします。

「とにかくつくること」が目標なので、簡易な装置&機材でがんばります。
持参したカメラの露出やピントが自動しかなくて調整できなかったり、
いろいろありますが、とにかくがんばります。

パソコンに入れて(ここではmac)、編集します(iPhotoからiMovieヘ)。
音楽や効果音を入れて、タイトルなども入れます。

この編集作業もひと苦労なのですが、できあがった作品を観ると苦労も吹っ飛びます。
アニメーションを作ってみると気づくことがありました。それは、アニメーションは絵本と同じように、総合芸術だなあということです。世界観を構築し、時間と空間をシナリオに盛り込み、物語の進行速度をコントロールしていきます。アニメーションの方が音楽などの音の効果を盛り込むことで、絵本よりもっと厳密にコントロールできると言えるでしょうが、制作過程が似ているなと感じました。
観る人の鑑賞の状態を「コントロールできる」というのは、実は作り手側からすると大変な事です。観客を置いてきぼりにしたり、逆に引きずり回したりするような作品にならないように、編集するときは、いつも初めて観るような気持ちでいることが大切です。
絵本をつくるときもアニメーションをつくるときも、「作り手は作者であると同時に観客であり編集する人である」ことを作品から求められるとも言えるでしょう。そして今後、作品を作り続けていくことで、観客&編集者としての目も肥えていくことでしょう。冷静な批評家の目も持ち合わせていくことになるかもしれません。その過程が作家として成熟していく過程でもあるのでしょう。
こちらが完成作品です。一人一人の作品を学年ごとにつなげてあります。
短い作品ですが、アニメーションを作る楽しさ、観る楽しさが伝わる作品となっています。
どうぞご覧下さい。
ペーパーパペット(紙人形)でつくったアニメーションです。短編4作品
クレイ(粘土)でつくったアニメーションです。短編3作品
s.motouchi